「貯金が一番のお金の無駄遣い」と言う起業家
みなさん、親に「貯金をしなさい」って言われませんでしたか?
私もよく言われていました。
そして、もらったお年玉は毎年ほぼ全て親に回収され(泣)、その大半は貯金されていたのだと思います。
最近、貯金について考える中で、起業家の堀江貴文氏が興味深いことを言っていたのでご紹介します。
- 「貯金は美徳」は間違っている。
- 使わない限りお金は活きてこない。
- 金で買えるほしいものは全部買え。
- 優れた情報、または体験を得るチャンスを逃してはいけない。
貯金が好きな日本人
日本銀行の調査によれば、金融資産合計に占める現預金の割合は、日本が54%、アメリカが14%、ヨーロッパが34%と日本が突出して多いです。
「日本人は貯金が好き」というのは海外でもよく知られた事実です。
欧米では、お金を貯めるにしても、現預金だけではなく株式等のリスク資産にも振り分けている人が多いですね。
かたや、日本ではどうでしょう。
「株はギャンブル」「投資は悪いお金の稼ぎ方」
未だにこんな間違った先入観を持っている人は少なくない印象です。
貯金は大事だが、「貯金は美徳」は間違っている
私は、適切な量の貯金は必要だと思います。
なぜなら、貯金には、病気、失業、災害といった想定外の出費で生活が破綻しないよう備えられるメリットがあるからです。
また、年々年金の支給が減る中で、老後の生活を安定させるうえである程度の貯金は欠かせないでしょう。
しかし、「とにかく多く貯金をすればいい」という考えに私は反対です。
堀江氏の言葉を借りれば、「使わない限りお金は活きてこない」のです。
あなたにとって本当に利するものは、通帳の預金残高を示す「数字」ではなく、
お金を使ったことで得られるモノやサービス、経験があなたにもたらす「価値」なのです。
特に、貯金や資産の総額を自分のステータスと捉え、そういった「数字」を増やすこと自体に生きがいを覚える人には、強く警鐘を鳴らしたいと思います。
「死ぬときに後悔しますよ」と。
少し視点を変えると、同じようなことが会社経営にも言えるでしょう。
仮に1億円の資本を持っている会社が2つあるとしましょう。
それを人材や設備への投資に変え、より多くの利益を生むA社は、投資家からの評価も高いです。
一方、B社はろくに事業拡大も考えず、使うアテもない多くの資本を現金として銀行口座に寝かせていたとしたら?その経営者に対する株主の評価はきっとよくないものになるでしょう。
もしくは、1000万円の資本しかなくても、4000万円の借金をすることで同じだけの利益を生むC社の方が評価されるかもしれません。
お金を使う好機はいつやってくるかわからない
ここまで、「とにかく多く貯金をする」という考え方に対する反対意見を述べてきました。
じゃあ、貯金をするのは少しにして、
残りのお金はさっさと使ってしまえってこと?
「宵越しの銭は持たない」のがいいのか?
このようにお考えの読者もいるでしょう。
実際にお金を使うにあたっては、もう一つ注意することがあります。
それは、同じお金を使って得られる価値は人によって異なるし、
同じ人でもタイミングによって異なるということです。
冒頭の堀江氏であれば、その手腕の良さから、お金を使って自己投資をしたり事業を拡大すればするほど、得られた経験や新たな事業がより大きなお金を生み、それがさらに事業拡大につながる、という風に、無限のチャンスと好循環に恵まれていると言えるでしょう。
だからこそ、貯金なんかしているのではなく「さっさと使う」のが最善になるのは当然です。
しかし、皆が皆、そういったお金を使う好機に恵まれているわけではありません。
1000万円あったとしても、「そんな大金、どうやって使ったらいいのかわからない」なんていう人も少なくないでしょう。
また、同じ人においても、お金を使う好機は常にあるとは限りません。
若いうちの経験は何ものにも代えがたい。
確かにこれは真理です。
なぜなら、若いときの経験から得た知見や技術は、その後生涯にわたり当人に価値をもたらし続けるからです。
同じ経験をするのなら、年老いた後より若いときの方がいいに決まっています。
しかし、若いときにお金を使う好機が訪れるかというと、必ずしもそうとは限らないはずです。
歳を重ねた後に「今こそお金を使いたい!」と思うチャンスが訪れる可能性だって大いにあるでしょう。
もし、そのときに貯金をしておらず手持ちの資金がなかったら?
きっとあなたは「貯金しておけばよかった」と後悔するに違いありません。
だからこそ、今はお金を使うチャンスなのかどうかを見極める視点が重要です。
今がチャンスでないならば、無駄遣いはやめ、貯金をして将来に備えればいいのです。
また、必要以上の貯金は投資に回すなどして経済の発展にも貢献し、自分の資産が「死に金」にならないよう努めたいものですね。
まとめ:コツコツ貯めて、スパッと使え
大小は違えど、私たちが一生のうちに手にするお金は限られています。
もちろん、仕事や投資に励むことでその総額を増やす努力は大事です。
しかし、最終的に重要なことは「いくらの資産を築いたか」ではありません。
そのお金を使ってあなたが「どれだけの価値を得られたか」が重要なのです。
そして、お金を使うことで得られる価値は人によっても異なるし、
タイミングによっても異なるということをよく心得ておくべきです。
誰にとっても苦労して手に入れた大事なお金です。
どうせ使うなら、ろくでもない浪費ではなく、自分が本当に価値を見いだせるものに使いたいですよね。
そして、幸運にもそういったチャンスにめぐり会えたならば、
たとえ何十万や何百万という大金であったとしても、迷うことなくスパッと使いたいものです。
そのためにこれまで苦労してコツコツとお金を貯めてきたのですから。
最後までお読みいただきありがとうございます。みなさまの人生が彩りあるものになりますように。
【注意】本記事は投資の勧誘を目的としたものではありません。投資の最終決定はご自身の責任と判断で行っていただくようお願いします。本記事に関するご質問・ご照会等にはお答えしかねる場合があります。本記事の記載内容は予告なしに変更することがあります。ご了承お願いします。