株の売り時はいつ?長期投資家が株式を売却するときの判断基準3選

みなさん、こんにちは。るろうに健心です。

今回は、株の売り時に関する私の考えをまとめました。

はじめに、読者さんに誤解が生じることのなきよう、今回の結論をお示ししておきます。

結論

・長期投資において、株式を売却すべきタイミングは限られている。

・平時から売却についても考えておくことで、結果的に相場変動に惑わされることなく長期投資を続ける助けになる

※本記事は投資初心者向けの内容ではありません。

売りは買いより難しい

インデックス投資にせよ、個別株投資にせよ、実際に投資を始めてみると持っている投資信託や株式を売りたくなるときが出てきますね。

実際、私が主催している投資勉強会でも、株の売り時に関する話題が上がることは多いです。

しかし、投資初心者さんにありがちな失敗として、以下のような話をよく耳にします。

  • あまり深く考えずに売買を行った結果、「高値で買って安値で売る」ことになり、本来行いたい「安値で買って高値で売る」とは真逆の取引になってしまった。
  • 長期間保有する前提で投資を始めたが、売買を繰り返すうちに長期投資ではなく短期投資になっていた

このような過ちを防ぐためには、どうすればいいでしょう?

よく言われる対策として、「株を買ったら売らずに持ち続ける『バイアンドホールド』の姿勢を心がける」というものがあります。

これは長期投資を行う上で的を得たアドバイスだと思います。

なぜなら、長期投資で得られる利益は、「安値で買って高値で売る」という売買の差額により得られるものではなく、「優良な投資先に投資し続ける」ことで投資先が生み出す利益に基づき得られるものだという考えが基本だからです。

簡単に言うと、「長期投資の利益=収益率×投資期間」というイメージです。
「利益=売値-買値」ではありません

この前提を押さえた上で、それでもなお株式を売却すべきときはいつなのかということについて、プロの投資家の意見を参考にしつつ私の考えをまとめてみました。

「日本版ウォーレン・バフェット」奥野一成氏について

奥野一成氏(農林中金バリューインベストメンツHPより引用)

今回の記事を書くにあたり、日本版ウォーレン・バフェットとも称される投資家奥野一成氏の著書「教養としての投資」を参考にしました。

奥野氏は「売らない株を買えばいい」という考えを掲げ、厳選した優良な投資先に長期間投資を行うスタイルの長期投資家です。3500億円を運用する投資信託「おおぶね」シリーズの現役ファンドマネージャーでもあります。

この書籍で保有株式の売却基準について触れられている箇所があり、私も同じような基準を持っていたので、彼の考えを知ったときはとても共感しました。

以下に、奥野氏が考える3つの売却基準について、私見も踏まえた上でご紹介します。

【売却タイミング①】自分の見立てが間違っていると気づいたとき

みなさん、株を買うときは何かしらの期待見込みをもって買いますよね。

業績の成長や配当の増額、株主優待、社会貢献など、投資先に期待することは人それぞれです。

自分の描いたストーリーに沿った展開が続いている間はじっと投資を継続し、そのリターンを得る機会にあやかります。

しかし、投資を続けるうちに、自分が抱いた期待が的外れだったとわかったり、自分の期待に反した状況に変化したりすることもあるでしょう。

その状況が一時的なものではない場合、その株を持ち続ける意味はなくなります。

よくある悪い例として、状況が悪化した(または当初の想定が間違っていた)にもかかわらず、過去の判断に固執してしまい対応が遅れると、投資を続けるほどに損失が拡大する状態=いわゆる「塩漬け」状態が発生してしまいます。

株式以外の金融商品の取り扱いにおいても同様のことが言えます。

一例として、貯蓄型保険の解約について考えてみましょう。

当初は「保険で安全に資産を増やす」等の期待で貯蓄型保険を購入された方が多いと思います。その後、それが自分の期待に反して劣悪な金融商品だと知ったとすれば、速やかに貯蓄型保険を解約し、適切な掛け捨て保険と全うな投資商品に資金を振り向けるべきですよね。

チェックポイント

自分なりの見立てや期待をもって株を買っているか?(見立てがないとその後判断のしようがなくなる)

当初株を買ったときの見立てや期待は何だったのかを把握しておこう

・定期的に投資先の状況を評価し、過去の判断が誤りだと気づいた時点で潔く誤りを認め、速やかに正そう

【売却タイミング②】より有力な投資先が見つかったとき

投資を続ける中で、自分が持っている株より有力な投資対象が見つかることがあります。

その場合、手元に投資資金があればそれを使って投資すればいいですが、追加の投資資金がない場合は、保有商品の一部または全部を売却し、別の投資対象へ資金を移す方が合理的です。

例えば、A社に投資をしていたが、その後競合のB社に市場シェアを奪われる傾向になってきたため、A社の株を一部売却し、得られた投資資金をB社へも振り向けることにした、というような対応は選択肢として考えうると思います。

注意点として、新規の投資先が「より有力だ」と考える根拠が適切かどうかについて考える必要があります。

初心者さんからよく聞く質問に、「米国株に投資していて、このところ米国株の株価が下落しているので、株価が上昇基調のインド株に乗り換えた方がいいでしょうか?」といったものがあります。

モメンタム投資をしている場合は別として、株価の動向のみを基準にして投資先の優劣を判断するのは長期投資において誤りであることが多いです。(直近のリターンが高いものに乗り換え続けるのは、よくある投資の必敗法です。)

チェックポイント

・新たな投資先を見つけた場合は、適切な視点で既存の投資先と比較し、投資先を乗り換えた方がいいほど有力かどうか慎重に考えよう。

・A社とB社が等しく有力と考えられる場合は、両方に等しく投資するのがよい。

【売却タイミング③】フェアバリューに対し株価が上がり過ぎたとき

優良な投資先を選んでいれば、業績の成長と共に株価も上昇していくことが予想されます。

しかし、相場には変動がつきもので、時には長期的な成長率を逸したペースで株価が2倍3倍と急上昇する場合があります。最近で言うと、生成AIなどある種のテーマに基づく先行期待が株価急上昇の一因になっていることがあります。

こういった場合、(バイアンドホールドを貫くのが基本ではありますが)不当に値上がった株を一旦売却するのも選択肢です。なぜなら、株式の価値(フェアバリュー)にそぐわないほど株価が大きく上昇した場合、その後価値が見直された際に株価がフェアバリューに近い水準まで下落することが多いからです。(平均回帰の法則)

この基準を用いる際に重要なことは、「株式の価値を見積もることができるか」という点です。
(なお、ここでいう株式の価値は株価のことではありません。)

そもそも、株式の価値を見積もることができなければ、売却すべきかどうかも判断できません

自分なりの根拠を持って判断できないのであれば、売ったり買ったりせずにじっと株の買い持ちを続ける方が無難です。

特に初心者さんにありがちなミスとして、「株価が上がっているから」という理由だけで持っている株を売る方がいます。しかし、実は株価の上昇は株式の価値の上昇を反映した妥当な範囲であって、その後も株価と株式の価値が上がり続け、結果的に株式を成長途中で売却したことで得られるはずであったリターンを取り逃してしまうケースは多いのです。

チェックポイント

「価格」「価値」は別のもの

・価格だけで売買の判断はできない

まとめ

今回は、保有株式を売却するときの判断基準について3つのパターンをご紹介しました。

改めて振り返っておきましょう。

  • 自分の見立てが間違っていると気づいたとき
  • より有力な投資先が見つかったとき
  • フェアバリューに対し株価が上がり過ぎたとき

いかがでしたか?

多くの読者さんにとっては、「何だか難しくてよくわからな~い泣」という感じだったのではないでしょうか。

判断基準がわからない人は、売ることは考えず、淡々と積立投資とバイアンドホールドを続けるのが最善です。

投資に対する理解は徐々に深まると思いますので、今回の内容が理解できないこと自体は特に問題ありません。

むしろ、わからないなりに最後まで読んでいただいた姿勢はすばらしいと思います。引き続き投資の勉強を続けていただければ幸いです。

一方で、今回の内容が理解できたという方はもう初心者の域は脱しているでしょう。

バイアンドホールドの常識を疑い、売却基準について考えてみることが、自分なりの投資軸を築く一助になるかもしれません。

また、逆説的ではありますが、売ることについて深く考えることで、結果的にうかつに売らずに済み、長期投資を継続することにつながるとも考えています。

最後に改めて強調しますが、今回は株式の売却に関する内容を取り上げましたが、安易な売却を推奨する意図はありません

頻繁に売買を行うことは長期投資の姿勢とは相反するものであり、あくまで売却はここぞというときに限って慎重に行うべきだということを申し添えておきます。

最後までお読みいただきありがとうございます。みなさまの人生が彩りあるものになりますように。

【注意】 本記事は投資の勧誘を目的としたものではありません。投資の最終決定はご自身の責任と判断で行っていただくようお願いします。本記事に関するご質問・ご照会等にはお答えしかねる場合があります。本記事の記載内容は予告なしに変更することがあります。ご了承お願いします。

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