暴落の不安はリターンの源泉~リスクと健全に付き合おう~

こんな人に読んでほしい

・暴落が来たらどうしようと思って投資に踏み出せない人

・自分が買った投資信託の値動きを見て日々ドキドキしている人

貯蓄から投資へ

みなさん、こんにちは。るろうに健心です。

「老後2000万円問題」が取り上げられて久しいですが、皆様の資産管理はいかがでしょうか?

欧米と異なり、現預金や保険商品での運用が多い日本人の家計ですが、2024年からは新NISA制度も始まり、政府も「貯蓄から投資へ」というスローガンを掲げ国民の投資参加を後押ししているようです。

従来のように、普通に会社員として働き一生何不自由なく過ごせるのであれば、心配や不安を抱えてまで投資家への道を歩む必要はないでしょう。しかし、向こう数十年にわたり人口減少と少子高齢化がほぼ確定している日本経済に置いて、高度経済成長期のように、会社に勤め続けるだけで所得が上がり老後も政府の社会保障で豊かに過ごすことができる、という時代はすでに終わりを告げています。

それがわかっているからこそ、政府も転職や副業などでの所得向上を後押しし、確定拠出型年金やNISA等の税制優遇制度で「貯蓄から投資へ」の流れを加速させ、国民の自助努力による老後生活設計を促そうとしているのだと思います。

国が全てを守ってくれる時代は終わり、誰もが投資家として自分の生涯所得を引き上げる努力をする必要が生じているのです。

暴落の不安から一歩踏み出せない初心者さん

最近、私は投資初心者さんの相談に乗る機会が多く、その際によく次のようなご意見を頂戴します。

株とか投資信託を買って、その後に暴落が来たらどうしようと考えると心配になり、なかなか投資に踏み出せません。

株式などのリスク資産は、現預金と異なり時価の変動が大きいのが特徴です。

これまで自分の資産の時価が変動することに慣れていない初心者さんが、このような不安を抱くのは当然ですね。

不安がないとリターンはない

暴落への不安と向き合う上で、ひとつ考えてみたいことがあります。

以下の2つの金融商品があった場合、皆さんはどちらに資産を振り向けようと考えますか?

  • 元本が保証されている年利5%が期待できる銀行預金
  • 元本が保証されていない年利5%が期待できる株式(一時的に時価が半分になる可能性もあり)

恐らく、ほとんどの方が銀行預金を選ぶと思います。同じリターンを期待できるのであれば、元本が減るリスクがない銀行預金の方が安心です。

では、次の2つだったらどうでしょう?

  • 元本が保証されている年利0.05%が期待できる銀行預金
  • 元本が保証されていない年利5%が期待できる株式(一時的に時価が半分になる可能性もあり)

今度は両者のリターンが100倍異なっています。リターンを追求するには株式の方が有利ですが、同時に元本が減るリスクを背負わなければなりません。

どちらにするかは迷わしいと思います。現実世界の選択肢はこのような状態であることが多いですね。

このとき、両者の期待されるリターンの違いが、元本が減るリスクの大きさと釣り合うように株式のリターンが決まります。このリスクの増加分に応じた期待されるリターンの増加分のことを、リスク・プレミアムと言います。

リスク・プレミアムこそが、銀行預金などの安全資産のリターンを大きく上回る、株式のリターンの源泉になります。

少し難しい話になったので、もう少し簡単な例えで考えてみましょう。

日本のことわざに次のようなものがあります。

虎穴に入らずんば虎子を得ず

高値で売れる虎の子を捕まえたければ、親の虎に殺されるかもしれない危険を承知で虎の寝床に入らなければならない、という意味のことわざです。

つまり、リスクなくしてリターンなし、ということです。

所得が上がりづらい現代の日本経済の環境下においても、教育資金や老後資金のために少しでも資産を増やそうと考えるのであれば、ある程度リターンが見込まれる商品に資産を振り向けるのは当然です。そのとき、もれなくリスクも背負う必要があります。

投資家としては、リスクを背負うことで資産が減ってしまうかもしれないという不安も生じますが、それと同時に大きなリターンが得られるかもしれないという期待も生じます

リスクあってこそのリターンと考えれば、投資家にとってリスクはただ悪いというわけではないと思えませんか?

また、このように視点を変えることで、資産が減る不安にさいなまれる状態から抜け出す一助になるのではないでしょうか。

会社員と投資家のマインドの違い

書籍「金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント」では、各人の収入源に応じて世の中の人を4種類に分類しています。

・従業員(E):誰かに雇われて働き一定の給料を得るサラリーマン

・自営業者(S):スキルを活かして報酬を得る専門家や自営業者

・経営者(B):ビジネスモデルを構築・所有し、他人の労力を活かして利益を得る人

・投資家(I):お金をはたらかせて利益を生む人

4種類のどれがいいとか悪いという話ではなく、それぞれ収入の得方が違うため、自分の適性や環境に合ったポジションを選択しようという話です。

この書籍の中で、投資家を目指す人が少ない理由について筆者は次のように述べています。

多くの人が安定した仕事を求める最大の理由は、そうするように家や学校で教えられてきたからだ。

投資家に属する人は、ほかのひとより少ない時間で多くの収入を得、しかも払う税金は少ない。それなのになぜみんな投資家になろうとしないのか?(中略)たいていの人は、一生懸命額に汗して稼いだお金をだれかに渡して、それが返ってこなかったらいやだと思っている。損をするのが怖いから、どんなに大きな利益を生むものであろうと投資には全く手を出さない、つまり自分のお金は絶対危険にさらしたくないという人が多い。

ロバート・キヨサキ著「金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント」

ここに、会社員と投資家のマインドの違いが表されています。

つまり、会社員は「安定」を追い求める結果、リスクから遠ざかるように行動します。

一方、投資家は「リターン」を追い求める結果、適正な範囲でリスクを背負うよう行動します。

投資家になろうと思うのであれば、安定を求める会社員マインドを抑え、リスクと付き合う投資家マインドに切りかえる必要があるのです。

投資家になるにはリスクとの付き合い方を学ぼう

私は、投資家の仕事はリターンの追求よりもリスクの管理にあると思っています。

それは、自分が背負いきれない過剰なリスクを取らないことであると同時に、不安にさいなまれるようなことなく投資家自身がリスクと健全に向き合うことでもあります。

これから投資家を目指す初心者さんには、適切にリスクと付き合う術を身に着け、会社員では得られないリターンを生涯に渡り得続けられるような投資家になってほしいなと願っています。

かく言う私も、投資家として成長するため鍛錬を続ける毎日です。

最後までお読みいただきありがとうございます。みなさまの人生が彩りあるものになりますように。

【注意】本記事は投資の勧誘を目的としたものではありません。投資の最終決定はご自身の責任と判断で行っていただくようお願いします。本記事に関するご質問・ご照会等にはお答えしかねる場合があります。本記事の記載内容は予告なしに変更することがあります。ご了承お願いします。

また、本記事では論点を簡明にするため投資におけるリスクを価格変動リスクに限定しましたが、実際の投資には、為替変動リスク、流動性リスク、信用リスク、金利変動リスク、カントリーリスクなど多様なリスクが関係しています。

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