- 趣味と言えるものがない人
- 夢中になれるものがない人
- 老後にしたいことがない人
生きがい、ありますか?
みなさんの生きがいは何だろうか。
家族、仕事、友人、趣味、贅沢、地域のコミュニティ、社会奉仕、ペットなどなど、生きがいは人それぞれ色々ある。
年々長くなる老後
人生100年時代と言われる昨今、70歳まで働いたとしても、退職してから30年もの時間がある。老後は人生の大きな部分を占めるが、これまで仕事や育児など「しなければならないこと」が中心であった壮年期と比べ、老後は「しなければならないこと」がぐっと減る。その分、人生をどう過ごすか、主体性が求められることになる。
生きがいがある方が豊かな人生を過ごせることは言うまでもない。生きがいが多い方がいいのかどうかは一概には言えないが、一個や二個しかないというのは、ある種の危険をはらんでいる。
卵はひとつのかごに盛るな
投資の世界の格言に、「卵はひとつのかごに盛るな」というものがある。
卵をひとつのかごに盛っていた場合、そのかごを落とすと全ての卵が割れてしまって台無しになってしまう。一方で、3つのかごに分けて卵を入れていたら、仮にひとつのかごを落としてしまったとしても、割れる卵は全体の3分の1で済む。
転じて、リスクを一か所に集中させると危険なので分散させよ、という意味である。
生きがいを分散するメリット
私は、生きがい=人生の価値の創出先も分散させた方がよいと思っている。
- 長年仕事ばかりしていた結果、いざ死が近づいたときに、もっと家族を大事にしておけばよかったと後悔する。
- 長年仕事ばかりしていた結果、病気や退職で仕事ができなくなった際に自身の存在価値を見失ってしまう。
- 自身の全てを家族に奉仕した結果、家族に対し過剰に依存的となり、家族との関係性が少し悪くなると精神状態が不安定になってしまう。
いずれのケースも、生きがいが一極集中しすぎた弊害である。
よく「仕事や家庭以外のコミュニティも持とう」と言われるのは、仮に仕事や家庭でうまくいかなくなっても、自分が認められる場が他にあれば、必要以上に自己肯定感を下げずに済む可能性があるからだ。
生きがいを複数持つことは、自分の存在価値や自己肯定感を見失わないための保険と考えることもできるだろう。
もちろん、自分の生きがいがそれひとつというのであれば、持てるリソースを全てその対象に注げばよい。しかし、通常多くの人にとって生きがいは複数存在する。
パートナーに、「仕事と家庭のどっちが大事なのよ!」と問われ、どちらも大事だと思うならば、両者に等しくリソースを配分するべきであろう。
死ぬ間際の後悔の多くは、自分がしたこと、よりも、しなかったこと、に由来する。今からでも遅くないので、自分が本当に大事だと思うものに等しく力を注ぐよう心がけたい。
最後までお読みいただきありがとうございます。みなさまの人生が彩りあるものになりますように。