幸せは人にくっついてやってくる

本記事は、筆者が医師として関わるなかで、学び共感した価値観や人生観について記したものです。

今回お話をうかがったのは、80歳代女性のCさん。

20歳代で結婚した後、数十年主婦として家事育児にはげみ家庭に尽くしてきましたが、とあることがきっかけで人生における新たな幸せを得ることとなりました。

昔ながらの主婦

Cさんは長らく、いわゆる昔ながらの専業主婦でした。家事をして、子供の面倒をみて、たまにパートに出て、あとは少し農作業を手伝っていると一日が終わってしまう日々。

夫は1年前に他界されたそうですが、夫のことをどう思うか問うと、「優しい人でした」とおっしゃる一方で、家事とかも手伝ってくれたかと問うと、「(夫は)仕事が忙しかったのでねえ」と言葉を濁していました。家のことはCさんが一人で担っていたのでしょう。

副会長を引き受け交流の輪が広がる

長年家事にはげんできたCさんですが、子育てを終えた50歳頃に転機がやってきました。

地域のサークルで活動するようになり、町内会の副会長を任されることになったのです。

それまでは家の中にいることが多かったんですけど、町内会の仕事を色々やっていると、周りのみなさんとのお付き合いが増えて、趣味のサークル活動とか旅行とか、交流の輪が広がりました。楽しいことが多かったです。

景色を見るのが好きで、みんなでずいぶんとあちこちに行きました。唯一、屋久島だけ行きそびれましたねえ。

なんと、思いつく国内の名所はほぼ行きつくしたとのこと。旅行が好きな私としては、うらやましい限りです。

幸せは人にくっついてやってくる

楽しかったことを問うと、50歳代や60歳代のことをいろいろ話してくれるCさん。一方で、これからやりたいことはあるかと問うと、何もおっしゃいません。特にないようです。足が弱ってきて出歩くのがしんどくなっていることもありますが、「やりたいことは十分やった」という満足感に満ちているようでした。

彼女の人生に新たな幸せをもたらしたものは、地域の人々との交流でした。おしとやかで控えめな、いわゆる「大和なでしこ」タイプのCさんは、町内会の副会長という大任を拝することがなければ、そのまま家庭を中心に暮らし、上記のような幸せを知ることなく50歳代以降を過ごしていたかもしれません。(もちろん、家庭につくすことを悪く言うつもりはありませんし、家族と分かち合う幸せもまたかけがえのないものです。)

人付き合いは時として面倒です。皆が皆、自分と気が合い仲良くなれるわけではありません。争いになったり険悪な関係になったりすることもあるでしょう。それでもやはり、人間関係にこそ人生の大きな幸せがあると思います。幸せは人にくっついてやってくるのです。

一期一会、という言葉もありますね。とりとめのない一瞬の出会いでも大切にしたいものです。その出会いが後に、思いがけぬ幸せを運んでくれるかもしれないのですから。

最後までお読みいただきありがとうございます。みなさまの人生が彩りあるものになりますように。

【注意】本記事掲載についてはインタビュイーの同意を得ていますが、個人情報保護の観点から個人を特定するような行為はくれぐれもご遠慮ください。また、インタビュイーへの配慮から批判的なコメントは掲載承認できない可能性があります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA