リターンの追求だけじゃない、個別株投資をする意外な理由

こんにちは、るろうに健心です。

私は初心者向けに投資勉強会を開いています。その際に意外な理由で個別株投資に取り組まれている参加者さんがいらっしゃったので、ご紹介したいと思います。

父親から相続した個別株

50歳代女性のAさんは、父親から日本の個別株式を相続しました。
しかし、Aさんには株式投資の経験がなく、相続した個別株をどうしたらいいかと悩んだ結果、証券会社の窓口で相談し、それら全てを売却して証券会社からおすすめされた投資信託に資金を移しました。
その後、投資について勉強するうちに、証券会社が勧めてきた投資信託は手数料が高いぼったくり商品であることが判明しました。結局Aさんは泣く泣くその投資信託を売却し、父親から相続した大事なお金を減らしてしまいました。

色々と調べた結果、Aさんはインデックス投資が最適だと考え、最終的に手数料の安い指数連動型の投資信託(いわゆるインデックス投信)で株式投資を続けることにしました。

そんな折、Aさんは私の勉強会にいらっしゃいました。
常にノートにメモを取り熱心に私の話を聞いているAさん。さぞかし投資に対するモチベーションが高いのだろうと思い、私はなぜ個別株投資の勉強をしているのかと聞いてみました。

するとAさんはこうおっしゃいました。

父が長年あんなに楽しんでいた株を全部売って、N村のファンドを買ったのを後悔していて。
よいポートフォリオで父に戻したいんです。

Aさんは亡き父親の考えをくみ取り、その遺志を未来に活かすべく個別株投資の勉強をされていました。

個別株投資をする理由はリターンの追求だけではない

みなさんが個別株投資をする理由とは何ですか?


これは、私がいつも勉強会で参加者さんに聞いている質問です。

まず、なぜこんな質問をしているのかと言いますと、気軽に個別株投資を始める初心者さんが多い一方で、

初心者さんほど個別株投資において余計なリスクを背負うことが多く、インデックス投資の方がより効率が高い(同じリスクに対しより大きなリターンを得やすい)投資ができることを理解した上で個別株投資に臨んでほしいからです。

そして、実際に参加者さんの回答を聞いていると、「株価が2倍3倍に上がったらいいな」とか、「配当金がほしい」とか、より大きなリターンを求めて個別株に投資をされる方が多いです。
また、中には「自分が勤める会社だから」とか、「身近でお世話になっている企業を応援したいから」とか、「株主優待が魅力的だから」という方もいらっしゃいます。

もちろん、投資である以上、リターンを追求するのは当然です。

一方で、私は個別株投資にはリターン以外にも得るものがあると考えています。
それは、投資先を選定する過程でその企業や業界、ひいては経済全体に対する理解が深まることです。

オールカントリーやS&P500といったインデックス投信を買っている人で、世界の経済状況を幅広く勉強している人はほとんどいないでしょう。(注:それ自体が悪いという意味ではありません。さほど投資に詳しくなくても投資することができる手段として、インデックス投資は有用です。)

一方、大事なお金を個別株に投資をするとなれば、必ず「なぜその企業に投資をするのか」という理由が必要になります。その過程で、その企業について勉強したり情報を集めるのは当然のことですよね。そうして、知らず知らずのうちに経済に対する理解が深まります。

もちろん、いくら企業や経済に対して詳しくなったからといって、投資のリターンが向上するとは限りません。

しかし、付加価値や参入障壁といったビジネスの要点、業界の構造、景気や金利など経済の基礎知識、財務や会計の知識など、個別株投資の過程で得られる知見はビジネスパーソンとして活躍する上で役に立つものだと思います。

つまり、個別株投資はビジネスパーソンとして成長することにもつながります。

このように、投資をするメリットは金銭的なリターンにとどまらないのです。

最後に

今回ご紹介したAさんの投資をする理由は、私にとっても斬新でした。

個別株式を通じて亡き父親に対して思いをはせるとは、何とも崇高な投資の活用法だなと感心しました。

リターンの追求だけではない個別株投資の魅力をまたひとつ気づかせていただきました。

また、勉強会参加後の感想で「共に学ぶ皆様との思い出が増えたと同時に、父との思い出がより一層増えて(思い返されて)うれしいです。」とのお言葉をいただいたことについても、この場を借りて深くお礼を申し上げます。

最後までお読みいただきありがとうございます。みなさまの人生が彩りあるものになりますように。

【注意】 本記事は投資の勧誘を目的としたものではありません。投資の最終決定はご自身の責任と判断で行っていただくようお願いします。本記事に関するご質問・ご照会等にはお答えしかねる場合があります。本記事の記載内容は予告なしに変更することがあります。ご了承お願いします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA