沖縄基地の娘に会いに

沖縄基地の娘に会いに来日するご婦人

以前、ロサンゼルスからの帰国便で米国のご婦人と席が隣になりました。

10時間を超えるロングフライトで、隣に野暮ったい日本人が黙って座っているのはうっとうしいだろう。始めに世間話でもして、少し打ち解けておこう。

そう思い、ご婦人に旅のことについてお話をうかがいました。

彼女は、沖縄の米軍基地で働く娘に会うために日本へむかっていました。観光目的にせよ、ビジネス目的にせよ、遠路はるばる日本まで来ていただけるのはありがたいことです。

しかし、このとき私は、彼女の来日理由にいくばくかの違和感を覚えました。そのときは深く考えることはありませんでしたが、最近になり、その違和感の正体を知ることになりました。

他国を守る米軍

本来軍隊は、その国の主権や領土を守るものです。しかし米軍は、同盟国とはいえ自国から遠く離れた日本に基地を構え活動しているのです。

米軍は日本を守ってくれている、という考えはいささか楽観的でしょう。彼らはあくまで自国の利益のために、日本という操り人形を手中に収めておきたいのです。

特に沖縄は、最大のライバル国である中国が南シナ海やインド・太平洋へと海洋進出を図るのを抑え込み、中国の本土へ直接にらみを利かせておくための地政学的な要衝です。沖縄という小さな島で、今なお米軍基地がなくならない理由でしょう。

緊張高まる東アジア

沖縄の本土復帰50年という節目の年に起こったロシアのウクライナ侵攻。世間の声を聴いていると、日本人は、ウクライナの話など自分たちとは関係のない別世界の争いごとであるかのごとくのんきに構えています。

確かに、ウクライナは我が国からは遠く離れた場所にあります。

しかし、われわれの住む日本がどこに位置しているか、世界地図を広げて見てほしいのです。

戦争をやっている張本人のロシアはお隣さんです。

これから数十年続く米国と中国の覇権争いにおいて、われわれは両者の接点にいます。争い合う勢力の接点が戦火を被りやすいのは、ウクライナ戦争が示すとおりです。

北朝鮮から核ミサイルで脅される日もそう遠くないでしょう。

我々は結構危険なところにいる、という気がしてきませんか。

端的に言って、日本人は平和ボケしてしまっています。ボケるほど平和なのは大変尊いことですが、平和が当たり前のものだとは思わない方がいいでしょう。そういう時代に入ってきているのかもしれません。

ひとりひとりが政治に関心を持つことの重要性

一個人が国の安全保障のために果たせる役割はほとんどありません。

しかし、民主主義国家である日本の政府は、我々国民の民意で動きます。

あれだけ強権的に侵略を進めているプーチン氏でさえ、ロシア国民の反発には日々細心の注意を払っています。民主主義国家でなくとも、民意の力は絶大なのです。

国政選挙でも投票率が低く、「投票率を高めるための取り組み」がなされている情けない現状ですが、少しでも政治を自分ごととしてとらえ、自国の安全保障や国際情勢について関心を持つべきではないでしょうか。

色々偉そうなことを述べてきましたが、かく言う私も、以前はまったくと言っていいほど政治に興味がありませんでした。私の場合、投資活動が政治に興味を持つきっかけになりました。投資を行うなかで否応なく経済や政治に親しむようになり、興味の輪が広がりました。まさか毎朝経済新聞を読むことが日課になるなんて、想像すらしていませんでしたからね。

人間、新しいことを始めるには何かのきっかけが必要です。もしこの記事が、みなさまが政治や国際情勢に関心を持つきっかけになったとしたら、大変ありがたく思います。

最後までお読みいただきありがとうございます。みなさまの人生が彩りあるものになりますように。

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