恋は盲目~だからこそ一途になれる~

みなさんは「恋は盲目」という言葉をご存じでしょうか。

恋に落ちると相手のいいところばかりを見てしまい、悪いところに気づかなくなる。という戒めを表す言葉ですね。

でも、私はあえて「盲目でもいいじゃないか」と言いたいです。

なぜならば、一途になることで生み出される力の大きさを知ったからです。

注:今回は恋愛ではなく仕事の話ですが、ご容赦を。

井の中の蛙だった私

「恋は盲目」と似たような意味の言葉に「井の中の蛙大海を知らず」があります。

狭い井戸の中にいて外の世界を知らない蛙(かえる)を揶揄して、視野の狭いことを示す例えです。

私は社会人になって以降、仕事と睡眠に大半の時間を費やし、付き合う人も職場の同業者ばかり、考えることも仕事に関することばかりでした。

その結果、医学に関することには詳しくなっていきましたが、それ以外のことにはまるで無知でした。

知識だけでなく、生活感覚みたいなものも世間一般の感覚とはずれていた気がします。(個人的な印象ですが、医師にはこういう「世間とずれた人」って結構多いと思います。)

多様な人との出会いから自分を見つめ直す

そんな私にひとつの転機が訪れました。

私は2020年からとあるSNSのコミュニティ(インターネット上の人の集まり)で活動するようになりました。最初は自身の金融教育が目的でしたが、お金の話を通じて、様々な人の仕事や家庭、ひいては人生との向き合い方を知りました。

また、SNS以外でも人の話を聞こうとする姿勢を意識した結果、知人や患者さんからもいろいろなお話を聞くことができました。当たり前のことですが、それらは誰一人として同じではなく、私にとっては全て新鮮なものばかりでした。

世の中にはいろんな人がいるものだ。

私は多様な価値観に触れると同時に、それまで自身がいかに無知だったかいかに狭い世界で生きてきたのかを知ったのです。

もっと広い世界を見てみたい。

そう思った私は、自身が長くいた「井の中」から飛び出すことを決意しました。

外の世界を知った後に思う、「井の中の蛙だって悪くない」

冒頭で触れたとおり、一般的に「井の中の蛙」という言葉はいいニュアンスでは用いられません。

それはやはり、凝り固まった考え方しかできない視野の狭い人より、多面的なものの見方ができる視野の広い人の方が重宝されるからです。

しかし、今振り返ってみれば、自分が長らく井の中の蛙であったことも悪くはなかったと思うのです。なぜなら、ずっと井の中にいたから見えたものもあるからです。

もっと早い段階で外の世界を知っていたならば、ここまで医学を追究することはできなかったかもしれません。

1点に集中するからこそ得られる成果もあるのです。

広い視野を持つことと、何かひとつに集中すること、これらは両方大事なんだと思います。

「恋は盲目」だからこそ一途になれる

「恋は盲目」という言葉についても、必ずしも悪い意味だけではないと思います。

悪いところが見えなくなっても、いいところを見てあげられるならそれでいいじゃないか。

こう思うこともありますね。

周りが見えないからこそ一途になれるのです。そして、一途な恋の生み出す力の大きさは計り知れません。それは、並大抵の努力では成しえないレベルのものです。

また、他のものを犠牲にしてでもこれひとつに賭けてみたいと思えるものと出会えること自体が貴重です。

何かに一途になれるというのは恵まれていることです。

もちろん、その仕事で生活は成り立つのかとか、お互いにとって共同生活を続ける相手としてふさわしいのか、といった現実的な視点も大事です。

しかし、それを踏まえてなお、私はこう言いたいです。

これに賭けたいと思えるものにめぐり会えたのであれば、迷わずそれを追い求めてほしい。

その結果がどうであれ、追い求めることをあきらめてしまった場合の後悔よりは、価値ある何かを得られるはずです。

最後までお読みいただきありがとうございます。みなさまの人生が彩りあるものになりますように。

2 COMMENTS

匿名

本当にそうですね。
例えば習い事を発表会に向け必死に稽古したり、
専門性を帯びる大学院生活を何年か送ると、世の中の動きにうといまま何年も過ごす。はっと気付くと現代版「浦島太郎」。

浦島太郎はゆっくりと現代の生活に新鮮な関心を持って近づいていく。
それも又面白からずや。

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るろうに健心

はじめまして。コメントいただきありがとうございます!
浦島太郎、面白い例えですね(^^)
夢中になれるものがあればその対象に全力を投じ、時折自分とその周囲を俯瞰して見渡してみる。
というのがちょうどいいバランスなのかなと思ったりします。

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