- 年収700万だけど、これといった知り合いのいない会社
- 年収400万だけど、尊敬する人がいる会社
- 年収400万だけど、週休3日で残業のない会社
結構迷う人もいるのではなかろうか。
数々のビジネスを見てきた世界有数の億万長者なら、この質問にどう答えるか、見てみよう。
世界に名をはせる投資家、ウォーレン・バフェット
ウォーレン・バフェットは世界第5位(※1)の億万長者で、出身地の名をとり「オマハの賢人」と称されるほど、株式投資をしている人なら知らない人はいない著名な投資家である。
※1 2022年4月6日現在
彼が率いるバークシャー社の年次株主総会には、毎年数万人を超える経営者や投資家が彼の問答を聞こうと世界中から集結する。それはもう、音楽フェスに近い盛り上がりだ。その場でバフェット氏は、毎回膨大なの聴衆を相手に4時間を超える質疑応答に答え続ける。
新型コロナウイルス感染症のパンデミックのためオンライン開催が続いていたバークシャーの株主総会であったが、2022年5月、久しぶりの対面での開催となった。
高校生の質問
総会の場で、高校生から次の質問が出た。(高校生で総会に参加しているとは畏れ多い)
私はどのような場所で働いたらよいでしょうか。
バフェットの答えはこうだ。
尊敬する人のもとで働きなさい。
仕事が好きとか、報酬が高いとか、有名な企業だから、とかではない。
大切なのは仕事をともにする「人」だというのだ。
私の就職面接の災難
私事で恐縮だが、現在の職場は2か所目で、最初の職場も現在の職場も、尊敬する指導者を頼って就職した。就職先を選ぶ際、職場の環境や報酬はあまり重要視しなかった。
特に、現在の上司を頼って就職面接を受けた際には、その旨をはっきりと述べた。
しかし、面接官からはかなりの逆風を受けた。事前の見学や面接ではさほど手ごたえは悪くなかったので、面接中は結構戸惑ったものだ。
後日届いた結果は、不採用だ。
当時の私は、「この人と働きたいから就職したい、という志望動機の何が悪い!」とかなりふてくされたものだ。
つまるところ、その企業は「会社」を大事にする人がほしかったのだ。業界では大変有名な企業で、確かに会社のブランドを頼って就職する人が多かった。あと、これは後で聞いた話だが、どうも上司が面接官とひと悶着あったようだ。
振り返ってみれば、「人」を大事にするのか、「会社」を大事にするのか、私と企業の間で価値観が大きく食い違っていた。そして、そのとき私を不採用とした面接官の判断は正しかったし、私としても、今となってはその判断に心から感謝している。危うく価値観の違う集団に飛び込み地獄を見るところであった。
その後紆余曲折あり、2022年現在、別の会社でその上司と働いている。非常に充実した日々だ。苦労することもあるが、嫌々仕事をするということはない。日々集中して仕事に取り組むうちに、ふと気づくと報酬を得て、業績や信頼もそこそこに積み上がり、さらにありがたいことに感謝までいただいている。
また、年々私と同じように上司を慕う仲間が増えている。
バフェット氏の言葉から学ぶこと
今回バフェット氏の言葉を聞き、ビジネスをつくるのはやはり「人」だと痛感する。確かに会社や組織は必要だが、それらはあくまで箱ものであって、ビジネスの本幹ではない。
もしあなたが職場選びで迷うのならば、その職場ではたらく「人」を見ることだ。尊敬できる人と働くことができれば、仕事のやりがいや価値観の合う仲間、人格の涵養など、給料や職業スキル以上に得るものがあるはずだ。そこで得られたもののの価値は計り知れない。
もし今、あらためてあのときの面接官に会えるなら、こう言ってやりたい。
「職場をつくるのは人だ。」
最後までお読みいただきありがとうございます。みなさまの人生が彩りあるものになりますように。