自分は何も建設的な提案をせず、他人のあげ足取りばかりしている人っていますよね。
あなたはどうですか?
気づくと他人の悪いところにばかり目が行って、他人の批判ばかりしていませんか?
もちろん、ものの本質をとらえる上では、いいところと悪いところを両方きちんと見極められることが必要です。
しかし、世の中どうも、他人の悪いところにばかり目が行きがちな人が多いようです。
そんな方には是非、他人のいいところに着目する「美点凝視」という考え方を取り入れてもらいたいなと思います。
批判的吟味とは
美点凝視の話に移る前に、まず批判的吟味について触れておきたいと思います。
批判的吟味とは、「手に入れた情報について、種々のバイアスや虚偽が含まれていないか批判的に検討する」ことです。
本当にその情報って正しいの?嘘じゃないの?
↑簡単に言うと、こんな感じですね。
例えば、コロナが流行した当初、韓国で「新型コロナウイルス感染を予防するため、集会参加者に対し口に塩水をスプレーする」というニュースがありました。恐らく宗教団体の指示でこのような行為を行ったものと思われます。
教祖様が言うから正しいだろう。
ルールだからとりあえず従っておこう。
そんなふうに多くの参加者が何も考えずこの行為に従った結果、その宗教団体の集会で新型コロナウイルス感染症の大規模なクラスターが発生しました。
言うまでもなく、塩水で新型コロナウイルス感染症を予防するという確固たるデータや証拠はありません。感染を予防するどころか、かえって塩水スプレー噴射や予防対策不十分な集会場内でウイルス感染が拡大してしまったのです。
もし、参加者が正しい知識を持ち批判的吟味を行っていれば、「口を塩水スプレーで除菌する」といった指示には従わなかったでしょうし、集会場でもマスクをつけて喚起を徹底しクラスター発生はある程度防げたはずです。
SNS全盛期において批判的吟味は基本スキル
インターネットが発達した現代では、各々が意識していてもしていなくても、私たちは日々膨大な情報にさらされています。その中には正しい情報もある一方で、誰かの恣意で真実が歪んでしまった嘘の情報も数多く存在します。
有名な人がそう言っているのだから、それは正しいことだ。
こんなふうに情報の真偽を疑うことなく鵜呑みにしていると、嘘の情報に惑わされ、正しい行動を選択できなくなってしまいます。
特にインターネットやSNSに出回っているような根拠の不明な情報と接するときには、その情報が本当に正しいものなのか、根拠は何か、誰かの意図で歪められたものではないかという点を疑ってかかることが重要でしょう。
さもなければ、あなたの行動は容易に誰かの意図にのっとられてしまいかねません。
情報社会の現代を生き抜く上で、批判的吟味は基本スキルと言えますね。
他人に対しても批判的な見方をしていた私
ここまでお伝えしてきたのと同様に、批判的吟味は真実を追究する科学者たる医師にとっても基本スキルと言えます。
一方で、私は、仕事以外の場面においても、他人の行いや人柄に対し批判的な見方をするようになってしまっていました。
人並外れた成功を収めたBさんは、裏では何か悪いことをしていたんじゃないか。
SNSで1万人もフォロワーがいる人気者のCさんだが、
自分の自慢をする投稿ばかり。きっと自己中心的な性格に違いない。
特に、嫌いな人や嫉妬の対象に対し、むやみやたらにその人のあらを探し、つまらないことで揚げ足を取って批判することが多くなっていたのです。
他人の「いいところ」を見つけるブログ
そんな私でしたが、このブログを始めた結果、ものや人の見方が大きく変わりました。
このブログでは、私が「いいな」と思った価値観について紹介しています。
ブログを続けるには、記事を書き続けなければなりません。(←これ、ほんと骨が折れる作業なんです泣)
そのためには、記事のもとになるネタが必要です。
どこかに、いいなと思える価値観は転がっていないかな。
記事のネタを探すにあたり、新たな価値観との出会いは他人の発言や考えの中に見出すことがほとんどです。
そして、愚痴や否定的な発言よりも、建設的で前向きな発言の方が、尊重できる価値観を見出すことが多かったです。
結果、ブログ記事のネタを探すなかで、私は建設的で前向きな発言や考え方に目が向かうようになりました。
私はブログを続ける中で、積極的に他人の「いいところ」を見るようになったのです。
他人のいいところを見るメリット
- 人のいいところを見つけて、尊重・尊敬する。
- 人の悪いところを見つけて、あげ足を取る。
同じものを見たとしても、この2つの視点から得られるものは大違いです。
他人のいいところに着目すれば、次のようなメリットがあります。
👉その人の長所を引き出し伸ばすことができる
👉ほめられた相手はうれしい
👉他人の長所を自分に取り入れることで、自分も成長する
このように、何かのいいところに着目することを「美点凝視」と言います。
一方、他人の揚げ足取りばかりしていても、学ぶことがないので自分は豊かになれません。
むしろ、その人との信頼関係はすり減る一方ですし、場合によっては、自分自身も非生産的な考えに引きずられてしまい気づけば愚痴ばかり言っている、みたいなことになりかねません。
どうせなら、他人のいいところに着目しましょう。
その方が、あなたにとっても相手にとっても、よい影響を及ぼすでしょう。
美点凝視のすすめ
もちろん、世の中のあまたのものには、いいところもあれば悪いところもあります。
恋人同士のときは相手のいいところばかりが見えて素敵な人に思えたが、
いざ結婚すると悪いところが目立ってきて、相手への好意がなえてしまった。
このような経験をしたことがある人は少なくないでしょう。
家族や親友、ビジネスパートナーなど、その人との関係が自分にとって特に重要である場合は、美点凝視だけでは不十分です。
関係を構築する上で、相手の悪いところも見て、それを受け入れられるか、何か改善策がないか、という点にも意識を向ける必要がありますね。
それでも私は、どうせ見るなら、他人の悪いところよりもいいところに着目していきたいと思います。
他人の潜在的な長所を見つけ出し、それを伸ばし、さらには自分にも取り入れ自分もよくしていく。
こんなwin-winの関係はそうそうありませんからね。
皆様も是非、美点凝視を心がけてみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございます。みなさまの人生が彩りあるものになりますように。
【注意】本記事の内容は一個人の意見であり、一般論を示すものでもありません。個々の治療方針については主治医とご相談いただくようお願いします。