2022年の振り返り~ブログ開設にむけた思い~

みなさま、明けましておめでとうございます。

新年を迎えるにあたり、今回は昨年の振り返りと本年にむけた思いをつづってみようと思います。

少しだらだらと長い文章になりますがご容赦ください。

本ブログ開設に向けた思い

私がこのブログを立ち上げたのは、約半年前の2022年5月。

当初は副業へのあしがかりにしようと考えていましたが、ブログのテーマを考える上で、私にはひとつの思いがありました。

それは、「じっくり人の話を聞きたい」というものです。

私は数多くの患者さんの治療に携わらせていただいていますが、私が主に取り扱っている病気は慢性期疾患、すなわち、一度診断されると根治することはなく一生その病気と付き合っていかなければならない類のものです。

そうすると、必然的に病気は患者さんの人生の一部となり、病気の治療に携わる=患者さんの人生に携わる、ということになります。

一般的に医師としての業務と言えば、診察や検査をして、病気を見つけ診断し、それに応じた治療をする、ということを想像されるかと思います。確かにそれは医師としての仕事の根幹と言えるでしょう。

「しかし、それだけでは本当に患者さんを「みる」ことにはつながらないのではないか?」という疑問を抱いたわけです。

つまり、慢性期疾患の治療に携わるならば、その人の歩んできた人生の歴史を知り、価値観を知り、これからの人生設計を共有し、その上で個々の人生に病気の治療を落とし込んでいく、というプロセスを踏むべきだ。

私はそういうふうに考えています。

実際に、患者さんの人生や価値観を把握している医者がどれくらいいるでしょうか。

恐らく半分もいないと言っても過言ではないでしょう。

しかし、これはひとえに医師の怠惰ではなく、医療の構造上の問題です。

医療の現場は長らく絶対的かつ慢性的な人手不足の状態であり、我々医師は過労死レベルを超えた労働を日常的にこなしています。残念ながら、のんびりと患者さんのお話を聞いている時間はありません。

また、外来にせよ入院にせよ、患者さんの人生の歴史や価値観をうかがったところで、その業務には保険診療上何の報酬も発生しません。本来適切な医療行為には報酬が発生するものですから、国は建前上は全人的医療を推奨しつつも、実際には全人的医療をはぐくむ行為を積極的に支援しようとはしていないのです。(年々増え続ける社会保障費など、のっぴきならぬ財政的な問題も影響しているのでしょう。)

そこで、私は考えました。

国が支援してくれないのならば、自分で「人の話を聞くこと」を事業として起こしてしまえばいいのだ。

そして、せっかく伺った貴重なお話であるならば、単に私の自己満足にとどめるだけではもったいないです。

同じような困難を抱えている人、これから同じ困難に立ち向かう人のために、何とか役立てる方法はないだろうか?

そう考えているうちに、人の話を聞くことで得た気づきや教訓をブログにまとめて発信しようと決意したのです。

私は基本的なITスキルを持ち合わせていなかったため、ブログ立ち上げ当初は事務的なことで色々と苦労しました。懇切丁寧にブログの立ち上げ方を教えてくれた先輩ブロガーさんには本当に感謝しております。

また、意見をまとめて文章にするという行為も、慣れるまではなかなか骨が折れる作業でした。もともと医学書以外に大して読書もしない私ですので、文章構造は無茶苦茶だし、使える語彙も少ないし。

今でも、始めの方の記事を見返していると、読みにくい文章構成だなあと反省するばかりです。

下手なりに続けたブログ執筆で得たもの

しかし、本業の合間をぬって(ときにはブログ執筆のために年休も取り)1ヵ月、2ヵ月と下手なりに記事を書き続けた結果、多くの学びがありました。

発信力が鍛えられた

ブログを始めてからというもの、これまで毛嫌いしていた文章を書くことが日常となりました。執筆活動は自分の考えを論理的に相手に伝えるよい訓練となり、結果として発信力が鍛えられました。

コロナ禍においても、発信力の重要性が際立ちましたね。

つまり、たとえ正しい情報であったとしても、それを持ち合わせた人に発信力がなければ、正しい情報を人々に届けることはできません。逆に、不安をあおるようなつまらぬデマが広がってしまい、一部の人々は正しい行動を選択することを阻まれてしまいました。

自分の考えを整理整頓できた

何か思ったことがあったとしても、文章にしないとモヤモヤしてまとまりきらず、そういった思いや記憶は知らぬ間に頭の中から消えていくものです。

自分の考えをまとめて発信することで、自分自身としても考えを整理することができ、後の議論にも応用しやすくなりました。

他人への思いやりが増した

一人よがりな文章にならないよう、読み手の関心や理解に気を配るようになりました。

その結果、日常生活においても他人への思いやりが増えました(と思いたいところです)。

他人のいいところに目を向けるようになった

これは以前に記事にしましたね。

美点凝視のすすめ

私は人様に誇示できるようなものをそれほど多くは持ち合わせていないため、ブログを継続するためには発信のネタを探すことが重要でした。

その観点で、他人を見るときにキラリと光る長所や尊敬できるところがないかと考えるようになりました

逆に言えば、他人の粗探しをすることはほとんどなくなりました。「粗」を見つけて発信しても、喜んでくれる人はいませんからね。

残念ながら、今でも私のブログはほとんど収益ゼロですが、半年間ブログを通じて50を超える記事を執筆し続けた結果、上記のように、私は収益以上の貴重な報酬を得ることができました。努力した甲斐があったと思います。

時間的・精神的に何かに縛られることが嫌いな私なので、これからも更新頻度はまちまちだとは思いますが、今後もブログを通じて読者の皆様に何かしらの価値を提供できたらいいなと思い、励んでいく所存です。

読者の皆様に感謝

最後になりましたが、いつも私のブログをご覧いただいている皆様へ。

Googleの分析ツールを使うと、ホームページが何人の人に見られたか(これをpv数と言います)がわかるのですが、私のブログのpv数はいつも5人以下(泣)。

それでも、まったくpvゼロだった当初から考えると、何人かの方にお読みいただいているのかと思うと、少ないpv数を残念に思うことはなく、いつも励みになっており、ありがたい限りです

私の駄文を読んでくださる読者の方には、本当に感謝しております。
どこぞの馬の骨ともわからぬ者が書いている雑記ではございますが、
今後ともご愛顧のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

さて、2022年の振り返りが長くなったため、2023年の抱負は後日に改めさせていただくことにします。

2023年1月現在、コロナが大流行しております

実際に現場で数多くのコロナ患者さんを診てきた身としては、今なお決してただの風邪とは言えぬ病です。

人との交流は楽しいことこの上ないとは思いますが、時節柄くれぐれもお体をご自愛いただきますよう、重ねてお願い申し上げます。

最後までお読みいただきありがとうございます。みなさまの人生が彩りあるものになりますように。

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